ZEPETO Safety Center

「お母さん、メタバースって何?」

これは、私がNAVER Z に入社し、ZEPETOのTrust and Safety ポリシーの代表担当者として就任した直後に6歳の息子から聞かれた最初の質問でした。 

本日から、更新されたコミュニティガイドライン( Community Guidelines )、ならびにスタジオコンテンツガイドライン( Studio Content Guidelines )が適用されます。
今回更新したガイドラインでは、ZEPETOが擁護する価値とは何か、またZEPETOが禁じるコンテンツや言動に対する方針根拠などについての概要が記述されています。コミュニティを守るため、ZEPETOは、ZEPETOとは何か、また何であるべきかを明確に伝える責任があります。

ガイドライン更新の草案作成にあたり、ZEPETOが取り組むべき課題として下記のような疑問点があります。

1)メタバースとは何か?

メタバースという概念は世界的に共通する合意された定義がいまだに存在しない、形成途上の概念です。ガイドラインの更新草案に着手する際、ZEPETOは息子が私に質問した、「メタバースって何?」という質問をまず自問自答する必要がありました。

ZEPETOの目指すメタバースは現在、多くの可能性の面でまだ不確定だと言えます。ZEPETOは、コミュニティが想像するものを作るためのツール、およびそれらを共有するプラットフォームを提供することに尽力しています。専門知識がなくても、想像するすべてをZEPETOの仮想空間の中で作り出すことができ、多様なユーザーが創作した多彩な文化をZEPETOで体験することができます。

私たちは、ZEPETOのプラットフォーム上で喜びを味わい、楽しんでほしいと強く願っています。しかし、他のユーザーの安全を侵害するコンテンツや行為を容認することはできません。

2) どのような場合にメタバース上でデジタルセーフティに関わるリスクが重大化するのか?
メタバースは没入感のある空間を提供しています。他人にとって迷惑な行動をとってしまう可能性も髙く、その結果として「迷惑行動」が発生するリスクが高まります。これは、すべてのコンテンツと行為をモニタリング、または規制する必要性がある ことを意味します。このようなリスクを念頭に置き、ZEPETOは不適切な、あるいは有害なユーザーコンテンツと不適切なアバターによる行為、虐待的または有害な行為のいずれにも適用できるようなガイドラインに更新しました。

3) 最も被害を受けやすいものを、どのようにして保護することができるのか?

ZEPETOは、コミュニティのメンバー全員の健康と幸福を第一に考えています。ZEPETOはまた、一部のグループ、例えば未成年者層、女性、有色人種、LGBTQ などのコミュニティグループが特に性的搾取や憎悪に満ちた活動、ハラスメントやいじめ・虐待などのオンライン攻撃のターゲットにされやすいということにも細心の注意を払っています。

今年に入り、ZEPETOはグローバルオンライン安全専門機関 との提携や、[保護者用]ZEPETOについてのお知らせの更新などにより、若年層ユーザーの保護に全力を尽くして参りました。本日、更新したコミュニティガイドラインの中では、ZEPETOは未成年者の安全確保を最優先にポリシーを強調しています。さらに、コミュニティガイドライン違反の有無を確認するためのアカウントモニタリングの際には、プラットフォーム外で未成年者に対する有害な言動があったことを示す信頼できる証拠が提示できる場合、プラットフォーム外での言動行為も考慮する所存です。

ZEPETOは引き続き、ZEPETOのプラットフォーム上での(法的に保護されている)保護特性を事由とする憎悪に満ちた行為、いじめ行為、ハラスメント等の行為や言動を厳しく禁止する措置を講じます。

 4) 有害かつ危険なコンテンツや行動を防ぐ一方で、どのように表現の自由を守ることができるのか? 

ZEPETOでは、コミュニティの安全性を妨げる有害なコンテンツや言動に対し、断固とした姿勢を示しており、更新されたガイドラインでも、礼儀正しさ、尊敬、包容性に基づく多様性を重視し、強調しています。

表現の自由と安全性の確保との間に介在する関係を解消することは、容易なことではありません。とはいえ、まずは国際人権保護法とその指針となる原則を確認することで、その解消策を探ることは可能です。 

国際人権保護法は、有害なコンテンツの有害性を抑制するという二重の目標を達成すべく、表現に制限を設けることの合法性、正当性、そして必要性の原則を規定している 一方で表現の自由を保護しています。私たちがこれから成長していく過程で、これらの原則は私たちが学び適応し続ける限り、プラットフォーム方針の開発や抑制の意志決定指針としての役割を果たすものとなります。

5) 今後の課題は何か?

明確かつアクセス容易なコミュニティガイドラインを有することは、ユーザーの権限拡大を図るためZEPETOの努力には不可欠な存在だと言えます。ガイドラインの明確な把握と理解は、ユーザーがそれらの方針を遵守する可能性を高めることにも繋がります。研究論文では コンテンツ削除により抑制されたユーザーに、その対象となったコンテンツについての説明、およびそのユーザーの今後のコンテンツが削除される可能性が減少することを示唆しています。

しかしながら、今回の更新内容は単に始まりでしかありません。ZEPETOのガイドラインは、ZEPETOコミュニティに最良のサービスを提供できるよう、変わりゆくリスク、ユーザーからのフィードバックや経験、他の内部・外部からの介入などにより、今後も形成されていきます。 

ZEPETOのプラットフォームが拡大するに伴い、私たちのコミュニティに意思決定やルール策定の透明性を提供することが、ますます重要になっていきます。ZEPETOは技術開発に携わる技術者により、インパクトを受ける人々の関与を促し、業界に呼びかける 「 声 」を支援しています。ZEPETOは、安全性、包容性、多様性、尊厳、そして創造性など、ZEPETOが価値とするものを体現することで、より安全なメタバースを築いていきます。 

ありがとうございました。

By Elyse Lee, PMP, Head of Trust and Safety Policy and Partnership

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